WBA世界スーパーミドル級タイトルマッチ12回戦は王者のジョージ・グローブスが挑戦者のクリス・ユーバンク・ジュニアを3-0の判定で下し、2度目の防衛に成功した。試合序盤からユーバンク・ジュニアから先に仕掛ける展開ではあったが、ユーバンクが前に出ていくと、グローブスが出てきた分だけ少し下がり、左右のパンチを的確に合わせて迎撃していく。試合終了の12Rまで、その繰り返しでユーバンクがやりたいことをグローブスが全て潰していく。時折、ローブ際に追い詰める場面もあったが、ブロックとダッキングで決定打を与えることはできなかった。  

 ユーバンクのスウィングの速い大ぶりのフックが空振りすると、そこへ、パンチを合わせるシーンは、ユーバンクの荒削りな部分とグローブスの冷静さが明暗を分けた試合でもあった。階級をミドル級から上げてから、ややスピードが落ちてしまった感のあるユーバンクがこれでミドル級時代のソーンダース戦に続く2敗目となった。

 この試合内容に、試合を観戦していた両選手と同じイギリス人の元IBF・WBC・WBCフェザー級王者のナジーム・ハメドはユーバンクの戦いぶりに対して「引退すべき」と酷評した。