WBA世界ミドル級 タイトルマッチで惜しくも判定で敗れた村田諒太だが、彼が身を置いているミドル級は現在、エンダム以上に強いボクサーたちがゴロゴロいる。その何人かを紹介していこうと思う。

1.ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)

通称GGG。ミドル級の主要4団体のうち3団体(WBAスーパー王座、WBC、IBF)のベルトを保持。戦績は37戦全勝33KO無敗。シンプルに言って、化物です。ファイトスタイルはファイタータイプで、打ち合いを好む。そのため、以外とパンチももらう事も多いが頑丈でプロではダウン経験がない。苦戦も稀にあるが、なんだかんだで相手を倒してしまう。絶不調でも強いのがこのゴロフキンだ。

現在、このゴロフキンは後述するサウル・アルバレスとの試合を控えており、その結果次第では、村田諒太と戦う可能性も決してゼロではないが、村田が勝つ可能性は極めて低いと見る人がほとんどだ。





2.サウル・アルバレス(メキシコ)

通称カネロ。上記のゴロフキンと9月に試合が決定している。メキシコのスーパースターで、戦績は51戦49勝34KO1敗1分け。唯一の1敗はフロイド・メイウェザーJrのみ。内容も2−0の判定なので、メイウェザーをかなり苦しめた選手でもある。ファイトスタイルはボクサーファイターで、インファイトもアウトボクシングも両方できる。多彩な角度からパンチを的確に放ち、手数はそこまで多い選手ではないがパンチの命中率がかなり高い。アミール・カーンのようなスピードのあるボクサーにもカークランドのようなパンチ力のあるパワフルなボクサーにも対応できる柔軟なボクシングができ、テクニックも超一流。

村田との対戦の可能性は9月の結果次第だが、こちらも村田が勝てる可能性は少ないだろう。



3.ビリー・ジョー・ソーンダース(イギリス)

通称スパーブ(一流)。IBFの現ミドル級王者で当初、村田との対戦が噂されていた選手の一人。ゴロフキンやアルバレスに比べるとやや見劣りする選手ではあるが、戦績は24戦全勝12KO無敗。ファイルとスタイルはサウスポーで1発1発の重さはないが、回転力の早い連打とリードの右ジャブで試合を組み立てる。2014年には後述するクリス・ユーバンク・ジュニアにも判定勝ちをしており、KO率は高くないが、村田が負けたエンダムを少し好戦的にしたイメージでかなり厄介な相手。

7月に試合をする予定だったが、対戦相手がロシア系犯罪組織の構成員と判明し、アメリカで逮捕され、試合予定は未定。そのため村田との対戦の可能性も期待でき、ゴロフキンやアルバレスよりは勝つ可能性がありそうだが、村田の手数の少なさを考えると、大差の判定負けが妥当なところかもしれない。



4.クリス・ユーバンク・ジュニア

通称Next Gen。文字通り次世代を担うボクサーの筆頭。独特な雰囲気を醸し出し、やや変わった選手ではあるが、戦績以上の怪物。圧倒的なスピードと常人離れした身体能力で他の選手と比べて体のやわらかさがあり、連打を打つと止まらない無尽蔵のスタミナも魅力。戦績は26戦25勝19KO1敗。主要4団体のベルトは保持していないが、ランキングには入っているので、村田と戦う可能性も決してゼロとは言えない。しかし、ユーバンクの圧倒的な身体能力を見てしまうと、村田に果たして勝てるのか?という疑問は拭うことができない。



とこのように村田の階級は現王者もランカーも強敵ぞろいで年内に世界のベルトを巻くことができるのかかなり厳しい状況なので、手数の対策をしてエンダムと再戦する方が確実かもしれない。