連日、世間を賑わしている日本ボクシング連盟の私物化問題で、渦中の人物山根明会長が各局のTV番組の取材に答えた。山根氏の主張はこうだ。

・厚遇なおもてなし接待問題
 自分は一切、強要はしていない。県連や関係者が勝手に気を使っただけ。それに、水やカンロ飴などは大した金額ではないので贅沢なおもてなしには当たらない。ミネラルウォーターなどはどのホテルにも当たり前のようにある。

・成松選手の助成金分配問題
 連盟として推薦したい選手が他にもいたため、分配をお願いした。それがルール違反という認識はなかった。成松には騙された。

・奈良判定こと山根判定問題
 岩手の選手と奈良県の選手の試合で、ダウンした奈良の選手が判定勝ちしたが、アマチュアはプロと違って、2ポイント減点されるという方式は採っていない。文句を言っているのはボクシングを理解していない人間。

・五輪決勝の村田諒太のセコンドに息子ねじ込み問題
 リオ五輪のミドル級の決勝で、本来つくはずのセコンドを外し、山根会長の息子を強引にねじこんだが、それは政治的な理由。村田は一人だけでは勝てない。村田が自分を批判しているが、社会人として常識がない。無礼だ。

など、県連のおもてなし問題以外はあまり共感できない部分が多い。とりわけ、問題なのは、村田が五輪で金メダルを取れたのは山根会長自身の政治力が強かったおかげだと言わんばかりの主張をしたことだ。これは自身の息子がセコンドについたおかげで採点に影響を与える結果になったと受け取られても仕方がない。五輪の決勝に関しては、海外などでは、ブラジルの選手ファルカオが勝っていたと見る人も多い。もし、これが事実だとすれば、村田の金メダルの価値が大きく下がってしまうし、AIBAにも問題が波及しかねない事態だが、一連の発言を訂正や撤回などは一切行っていない。

個性の強い山根明がまたどんな爆弾を投下するのか要注目だ。